秋期企画展「郵便屋さんの図像学」Iconography of Postman

1902年に郵便博物館として創立し、以来100年以上にわたって逓信・郵政事業に関する資料を収集してきた当館には、郵便集配員を描いた錦絵、ポスターやチラシなどの宣伝印刷物、雑誌の表紙を飾った油彩原画等が多数収蔵されています。

美術史学の分野では、モチーフから作品の意味内容を読み解く「図像学」という研究手法が知られています。本展は当館の約200万点におよぶ資料から郵便集配員が描かれた作品を一堂に公開し、その図像の特徴や変遷を辿る試みです。「郵便屋さん」として親しまれた集配員の知られざる仕事や苦楽を感じていただけましたら幸いです。

開催概要

【会  期】
2019年10月12日(土)-12月25日(水) 
*11月18日(月)に一部作品の展示替えを行います。

【休 館 日】

11月18日(月)

※台風19号接近に伴い、10月12日(土)は臨時休館、10月13日(日)は13時から開館予定です。

【会  場】
郵政博物館 企画展示ゾーン
*関連イベントについては会場が異なる場合があります。

【開館時間】
10:00-17:30(入館は17:00まで)

【入 館 料】
大人300円(250円)/小・中・高校生150円(100円)
*( )内は10名以上の団体料金 *障がい者手帳をお持ちの方と介助の方は無料

【主  催】
郵政博物館

3つの見どころ

 

① 「郵便屋さん」の姿に多角的に迫る4章構成

創業期から1970年代まで、郵便集配員を描いた図像を4章構成で紐解きます。

第1章 美しく駆け抜ける Stylishness & Speed

郵便創業期、粋な洋装でエネルギッシュに駆ける姿は文明開化の象徴として鮮烈な印象を与えました。明治時代の錦絵を中心にその姿を辿ります。

第2章 厳しい職務と献身  Severity & Sacrifice

全国津々浦々に張り巡らされた郵便網。険しい山奥や大雪のなか、郵便物の運送は危険と隣り合わせでした。市街地における犬害についても紹介します。

第3章 届けられる笑顔と真心 Smile & Sincerity

明治期の広告「引札」には、郵便集配員に扮した福の神が登場します。笑顔で吉報を届ける姿は、平和を希求した戦後の印刷物にも盛んに描かれました。

第4章 「郵便屋さん」として生きる  Service & Self-awareness

事業の象徴として記号的に描写されることの多い郵便集配員ですが、戦後以降の省機関紙誌にはその人間性に迫る表現が開花したことに光を当てます。

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梅堂国政「開化幼早学問(鉄道ハ空飛鳥の早飛脚)」1875年〈後期展示〉
逓信省推薦紙芝居「責任」第十二景《外套で行嚢を包む吉良平治郎》1941年
久野実「産業図案切手 郵便配達」原画 1949年
中村琢二「郵便外務員」(省機関誌『郵政』表紙原画)1969年

② イメージを広げる5つの映像

豊富な映像資料も本展の見どころ。以下の5作品を会場内で常時上映しています。
生き生きと働く郵便集配員の姿をぜひご覧ください。
今年度デジタル化で蘇った貴重な記録映像
「郵便局ではたらく人たち」1959年
「サークルだより」1961年
「日本の郵便」1969年
本展のために実演収録された紙芝居
「責任」1941年
「渡り鳥」1947年

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「郵便局ではたらく人たち」より
「渡り鳥」を実演する浅岡靖央教授(白百合女子大学/人間総合学部児童文化学科)

③ 世界の郵便集配員の姿を伝える100枚の切手

郵政博物館の常設展示ゾーンには、万国郵便連合(UPU)から送付された約33万種類の切手が展示されています。本展では、そのなかから郵便集配員を描いた100枚の外国切手をピックアップしました。時代や国柄のあらわれた図像の面白みはもちろん、紙質や印刷もバラエティーに富んでいて見飽きません。当館ならではのコレクションにご注目ください。

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郵便集配員を描いた外国切手

企画展関連プログラム

*すべて参加費無料(別途入館料がかかります)。
*内容は変更となる場合があります。

◆ 来館記念スタンプで福を招こう!

郵便集配員に扮する恵比寿様と大黒様の記念スタンプ。お手持ちの手帳やハガキに押して縁起を担ぎましょう。
*日本郵便㈱の提供する「郵趣のための押印サービス」(小型印)ではありません。
*デザインは変更となる場合があります。

【日程】
会期中
 
【概要】
本展展示資料「引札(郵便集配員に扮した恵比寿と大黒天)」(1911年頃)をモチーフにした記念スタンプ2種を館内に設置します。

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記念スタンプイメージ(左:恵比寿、右:大黒天)

◆ ハッピーハロウィン☆郵便ミニクイズに答えてプレゼントをもらおう!

郵便マーク(〒)のデザインの由来は?知っているようで知らない、郵便の世界を楽しく学びましょう。

【日程】
10月20日(日)~31日(木)
 
【時間】
10:00~17:30(クイズカードの貸出は最終入館の17:00まで)
 
【概要】
ご入館時に受付で郵便に関するクイズカードを貸し出します。常設展示ゾーンから答えを探し、受付スタッフに口頭で回答してください。カード返却と引き換えに、ハロウィン気分を盛り上げるボックスティッシュを差し上げます。
※ご好評につきボックスティッシュのプレゼントは終了しました(クイズおよび「仮装でWチャンス」は実施中です)。
 
【定員】
ご参加はお1人1回まで。プレゼントはなくなり次第終了します。※プレゼントは終了しました。

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プレゼントイメージ

仮装でWチャンス!「切手をくれなきゃイタズラするぞ!」
仮装して参加された方には異国ムードたっぷりの使用済外国切手1枚をプレゼント。
*Wチャンスは先着100名様限定。
*切手の絵柄は選べません。

◆ 郵便創業100年記念映画「明日に向って突走れ」特別上映会

「大都会の郵便外務員として生きるひとりのヒューマンな青年の物語」……郵政博物館秘蔵映画が、デジタル化で蘇ります。

【日程】
11月2日(土)、12月21日(土)、12月22(日)
 
【時間】
各日11:00~/14:00~の2回上映
 
【概要】
当館に収蔵される映像フィルムのうち、今年度デジタル化した2本を館内のメッセージシアターにて特別上映します。

(1)郵便創業100年記念映画「明日に向って突走れ」(1971年/郵政省企画、東映株式会社製作、57分28秒)
(2)事業周知用映像「日本の郵便」(1980年頃/郵政省企画、読売映画社製作、30分13秒)
*パイプ椅子での鑑賞となります。また、シアター内での飲食はできません。

【定員】
各回20名。両回とも当日10:00より受付で整理券を配布します。

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「明日に向って突走れ」より

◆『ゆうびんです!』~絵本読み聞かせ会とプラバン工作教室~

お手紙はいったいどうやって届くの?「ぽすワンちゃん」*と一緒に郵便のしくみを楽しく学ぼう!
*「ぽすワンちゃん」は日本郵便オフィスサポートのキャラクターです。
*以下AまたはBどちらか一方の参加も可能です。
*13:45より、日本郵便オフィスサポート㈱から郵政博物館へ絵本の贈呈式が行われます。

A. 絵本読み聞かせ会

【日程】
11月17日(日)
 
【時間】
14:00/15:00/16:00
 
【概要】
日本郵便オフィスサポート制作絵本『ゆうびんです!』(フレーベル館、2018年)の読み聞かせを通じて、郵便の仕組みを楽しく紹介します。
 
【定員】
なし
*床に座るためのシートをご用意しています。小さなお子様を優先に、譲り合ってご鑑賞ください。

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『ゆうびんです!』表紙イメージ

B. プラバン工作教室

【日程】
11月17日(日)
 
【時間】
14:00~16:30(随時受付)
 
【概要】
絵本に登場するキャラクターのプラバンチャームを制作します。下絵は原画作者である中野シロウ氏(play set products)の描き下ろしです。
 
【定員】
なし

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ぽすワンちゃんプラバンイメージ

◆消しゴムハンコでクリスマスカードをつくろう!

家族や友達や恋人に…日頃の感謝を込めて素敵なカードを送りませんか?郵便屋さんがあなたの想いを大切に届けます。
*東京スカイツリー®を模した館内のポストに投函できます(切手代はご負担ください)。
*受講中の怪我や衣類の汚損等につきましてはお客様の自己責任となります。ご了承のうえご参加ください。

【日程】
12月14日(土)
 
【時間】
11:00~/14:00~の2回開催(所要時間は1時間程度)
 
【概要】
クリスマスにちなんだモチーフを彫刻刀で消しゴムに刻み、カードに捺します。図案はベルやリースなど、当館で数種類用意します。
 
【対象年齢】
小学校3年生以上
 
【定員】
各回20名。両回とも当日10:00より受付で整理券を配布します。

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消しゴムハンコクリスマスカードイメージ