切手の「原版(げんばん)」
収蔵品
郵便切手の印刷工程において、まず製作されるのが原版です。切手1枚分の原寸大の版で、印刷用の版はこの原版を複製して作られます。
当館では、主に明治・大正期に発行された普通切手及び記念切手の原版を所蔵しています。これらは、当館の所蔵品の中でも貴重なもののひとつに挙げられます。
図1は、その図柄から通称「菊切手」として知られる1円普通切手(明治32(1899)年10月1日発行)の切手とその原版です。原版の中央上部には切手にはない「×」印が見えますが、これらは再使用を防ぐため印刷後に入れられたものです。
また、図2は、第一次世界大戦の終戦を記念して発行された「平和紀念切手」(大正8(1919)年7月1日発行)の切手と原版です。平和の象徴である鳩とオリーブの枝が繊細なタッチで彫られています。
図1 1円普通切手(明治32(1899)年10月1日発行)とその原版
図2 平和紀念切手(大正8(1919)年7月1日発行)とその原版