日本最初の郵便はがき
収蔵品
わが国最初の郵便はがきは、明治6(1873)年12月1日に発行されました。オーストリアで世界最初のはがきが発行(1869年)(図1)されてから、わずか4年後のことです。
形状は今日の往復はがきのような二つ折りで、普通はがきとしては世界にあまり例がありません。これは当時、厚手洋紙の製造技術を持たなかったため、薄手の洋紙を折り重ねて強度を増そうとしたためです。
宛先を記す第1面には、料額印面と紅色の枠、通信文を記す第3面には、5行の罫線が入っています(図2)。第2面は白紙でしたが、ここに通信文を筆書きして裏面の料額印面を汚したり、宛名が不明瞭になって不便が生じるケースが続出しました。そのため、第2面に「此面ヘハ決シテ文字等ヲ不可認事」等の規則書きが入ったはがき(図3)が間もなく発行されました。
いずれも料額は半銭(同一市内宛て)と1銭(郵便役所・取扱所のある全国の町村宛て)の2種類で、印面図案(図4)は当時発行されていた普通切手とほとんど同じです。
図1 世界最初のはがき
(第1面) (第3面) (第2面)
図2 日本最初のはがき(半銭)
明治6(1873)年12月1日発行
(第1面) (第3面) (第2面)
図3 規則書きが入ったはがき(1銭)
明治6(1873)年12月発行
図4 日本最初のはがきの料額印面部分