切手の「試刷(しさつ)」
収蔵品
切手の「試刷(しさつ)」とは、郵便切手の制作工程の中で、印刷本番に入る前の試し刷りのことですが、その際に刷られたものを指す場合もあります。
図1は、わが国最初のグラビア2色刷りの普通切手として知られる、5円切手(1955年9月10日発行)(図2)の試刷です。
原画(図3)の配色を基に、1回目の試刷で赤や茶色の単色刷り、茶色と緑の2色刷りなど8種類の色使いが検討されています。その後4回の試刷を経て、最終的に茶色(おしどりの夫婦)と水色(水面)という組合せが決定しました。
一つの切手を作り出すにも、その切手に最も調和する色は何かを追求していく制作者の意欲がうかがえます。
図1 試刷(第1回)
図2 切手
図3 原画