博物館ノート

郵便自動車

収蔵品

郵便物の輸送で初めて自動車が使用されたのは、明治41(1908)年12月15日でした。それまで郵便局間の郵便物の輸送には、1頭又は2頭立ての馬車を利用していました。そんな中逓信省は、年末の繁忙期に年賀状など大量の郵便物をより迅速に処理したいと考え、まずは東京中央郵便局での郵便自動車の利用を決定しました。
当初は帝国運輸自働車株式会社に自動車輸送の業務を請け負わせ、東京中央郵便局と新橋駅、上野駅及び銭瓶町分室との間を2台の郵便自動車で往復させました。最繁忙の12月24日からは3台を走らせました。馬車より10袋ほど多く郵袋(ゆうたい(郵便物を入れる袋))を搭載でき、約半分の所要時間で届けることができたようです。
大正15(1926)年になると、東京市内では馬車輸送が廃止され、自動車輸送に切り替わりました。

図1 明治40年代の最初の郵便自動車
図1 明治40年代の最初の郵便自動車

図2 大正初年の郵便自動車と郵便馬車(新橋駅構内)
図2 大正初年の郵便自動車と郵便馬車(新橋駅構内)